前回に続き「遠隔操作はあるのか? Part2」 です。
よく混同されやすいのは「遠隔操作」と「不正改造(主に裏ROM)」です。ホール側の不正事案のほとんどは裏ROMです。 「遠隔操作」は事務所やある場所から台を不正に操作する事で、「不正改造」は基板の回路に不正なROMや部品を取り付けたりして不正プログラムが働くようにしている物です。裏ROMは連荘性を高めたり、確率を変えたり、やろうと思えば色々なプログラムが組めます。まあ遠隔も裏ROMもどちらも正規な台ではないと考えれば同じようなものです。
遠隔で自由自在に台を操るには巨額な費用が掛かります。なぜならそれぞれの機種には固有のプログラムがあるので、全台やるなら全設置機種のプログラム解析が必要です。その費用を掛けたのに数か月で撤去するようでは元が取れないので、やるとしても結局は長期間設置しているジャグラーや海だけになってしまうのだと思います。しかしPart1で出てきた健全化推進機構だってバカじゃありません。長期設置される人気機種をメインにチェックしますので不正部品を取り付けていれば発覚します。
台のゲーム性を司る基板には封印シールがあり、剥がせば痕跡が残る特殊なシールです。昔は封印シールだけでしたが今は「かしめ」と呼ばれる特殊な形状をしたロックがされており、かしめを破壊せずに基板を開ける事は困難なので、基板を開ければ必ずかしめは壊れます。かしめがギリギリ壊れないように隙間から細い器具を差し込むことができても、作業は限定されますので、大掛かりな工作をする事は無理だと言っても過言ではありません。
こう説明すると「いや封印シールも偽造できるし、そっくりの基板だって偽造可能だ」と言う人がいるかもしれません。実際に偽造された封印シールもROMも見たことがあります。しかしそれはゴト師軍団の様な資金力のある所がそのリターンの為に巨額な偽造費用を捻出する為に投資するのであって、元々普通に営業しても儲かるはずのパチンコ・スロット台をわざわざそんな費用を出して改造しようとするホールはまずありません。そもそもいつ来るかわからない立ち入り検査があるのにそんなリスクを冒すでしょうか?
裏ROMが大流行したのは2号機3号機時代のノーマルタイプの詰まらない台が出ていた頃です。連チャンしなくなったから連チャンさせたくなったのです。あの頃は私も茨城県を裏モノ天国と呼んでわざわざ裏モノを打ちに行ったものです。埼玉県のホールにもたくさん裏モノはあり、終いにはメーカー主導の裏モノまで出てきました。あの頃は裏モノ業者(通称カバン屋)から営業の電話まで掛かってきました。
4号機時代は裏モノがほぼ無くなりました。4号機は大連チャンするので必要ありません。
4号機も終焉に近づき、5号機が出始めの頃に裏ROMに手を染めるホールも出て来ましたが、今はART機登場により万枚の確率が上がり、パチンコも確変によって4万発5万発は日常の風景です。
むしろ今はホールが「遊べる台」を望んでいるのです。ARTブームの流行と時期を同じくして裏ROMは姿を消していきました。その必要が無くなったんだと思います。
次回Part3に続く。