プライベート

スタッフ紹介 自分編 Part2

羽根物2回打止台開放抽選スキームの発見から数ヶ月も経たないある日の事。

友達が「すごい攻略法見つけたぞ!」と言って、週刊プレイボーイという週刊誌を持ってきました。
そこには平和の「ブラボー10」と言う機種の攻略法なるものが載っていました。ルービックキューブで「攻略法」と言う響きに敏感だった私はトキメキました。

大人になった今ではそんな攻略法が週刊誌に掲載されるはずもないと冷めた目で見てしまいますが、当時はまだ高校1年生になったばかりで、信じようとする意欲が違います。

友人に言いました。「ブラボー10って確か店の奥にある、オヤジが何箱も積んでるセブン機でしょ?」
「そう!」。

ブラボー10

このブログのブログアイコンにも使用してる盤面画像はブラボー10のセル盤です。私の思い出の機種No,1です。
1300発規制と呼ばれる規制後の機種でALL13・10R・10C方式によって、大当り時に1300発の玉が獲得できる機種です。単純なノーマル機なので連チャンはありません。今のパチンコから考えれば1300発の出玉など何とも思いませんが、当時の羽根物しか打った事のない私にとっては未知の領域です。

ブラボー10は0~9までの7セグ3桁デジタル機で、000から999までの1000通りの表示があり、奇数揃いで大当り、偶数揃いで小当たりになる機種。
この台にはタッチセンサー式のストップボタンが上皿左隅に搭載されていて、回転中にボタンを押すとデジタル回転が強制的に止まる仕組みになっています。

その週刊誌には、このストップボタンの押し方次第でデジタルが揃えられると書かれていたのです。

この機種にはリーチ目が存在します。現在のパチンコ台は1回転毎に抽選を行うため、前回の出目は次の回転に影響しません。しかし、この頃の台は前回表示された出目が次の回転に影響する機種が多かったのです。

ブラボー10はヘソに玉が入ると3桁の数字が高速で回転し始めますが、仮に超スローカメラで録画再生したとすると、デジタルは3桁とも、0→1→2・・・→9→0→1・・・と順番に回っています。
しかしこの動きには特徴があり、左右のデジタルは同スピードで回っており、左右のデジタルが3つ進むのに対して、中デジタルだけは2つしか進みません。
回り始めて一定時間が経過すると、左→中→右の順に停止します。仮に000の出目から回転し始めた場合、必ず7?0または7?1または7?2で止まります。左のデジタルに対して右のデジタルが必ず3コマ~5コマ進んで停止する仕組みになっています。5コマは少なく、ほとんどが3コマか4コマです。

逆に言えば、例えば7?4または7?3または7?2の出目から回転がスタートすれば次の回転で左デジタルには何が止まるかはわかりませんが、左右のデジタルは次の回転で同じ数字になる可能性が非常に高いという事になります。

これ以上詳しく書くと、それこそ何ページも必要なので割愛しますが、ブラボー10の出目の移行法則は既に解析されていました。
この出目の決定方式を逆手にとって、タッチセンサーボタンを押す事で3桁のデジタルを揃えてしまうのがその週刊誌に書かれていた攻略法だったのです。

しかし、後になって分かったのですが、この週刊誌に載っていた攻略法は完璧な攻略法の20~30%という内容でした。普通の人は週刊誌に載っている時点でその内容を疑うし、小さい文字でページいっぱいに並んでいる100通りはあろうかと言う3桁のリーチ目群を見ただけで覚える気にもならないでしょうが、勉強では本気が出ないこの頭も、攻略法と聞いただけで私はときめいていますので、頭をフル回転させて余裕で記憶してしまいました。

週刊誌とはいえ、大筋は間違っていなかったので、その週刊誌に書かれていた通りに実行してみたら、とんでもない事になってしまいました。1週間で確か7万円ほど勝ったような記憶があります。現代の連荘機とは違います。私にとっては一週間で7万円も勝ったら大変な事です。

そんなある日、思いがけない事件が起きます。
今日もブラボーで一儲け・・・と攻略法を使ってボタンを押していると、何やら怪しげなオヤジがこちらをじろじろ見ています。すると私の隣に座り、ボタンを押し始めました。「ん?このオヤジも攻略法?」。

絶対に負けられない戦いが始まりました。

しかし・・・惨敗。
オヤジは脅威の連チャンで私など足元にも及ばぬスピードで当て続けました。
オヤジはあっという間に7箱ほど出すと、出玉を交換して帰る様子。

すると、私の所に寄ってきて、
オ:「兄ちゃん、どこでそれ教わったんだ?」
私:「・・・週刊プレイボーイですよね?」
オ:「週刊プレイボーイ?」
私:「違うんですか?」
オ:「そんなんじゃねぇよ~」
私:「・・・」
オ:「もっとスゴイ攻略法教えてやっか?一万円で教えてあげるよ。」
私:「・・・」

(もっとスゴイの・・・。羽根物でもブラボーでもガッツリ勝っているし、もっとスゴイのってどんなものなのか、1万円くらい捨てたと思えば今の資金力なら買える・・・)

私:「はい。教えてください。」
オ:「そうか。でも、俺も他のメンバーの手前があるからタダじゃ駄目だぞ。1万円で教えてやるよ。」

「明日は定休だから、あさっての開店の時間に来いよ」と言い残してオヤジは帰っていきました。

開店時間に自転車で駐車場に行くと、そのオヤジは本当に待っていました。
一万円を払うと、オヤジは「ホラっ」っと言って5~6枚のプリントを渡してくれました。

その場でさっと目を通した時の数字の多さで、瞬間「ホンモノだ」と思いました。
取り敢えず、その日は打つのをやめて、自転車で家に戻りながら読み始めたのですが、冒頭は基本的なブラボー10の出目表示のシステムから書かれていました。
家に着いて、部屋でじっくりとそのプリントを読んでみましたが、明らかに週刊誌のそれとは異なるものでした。

そして、このたった数枚のプリントが私の人生をも大きく変える事になろうとは、私はその時想像だにしていなかったのです・・・

つづく

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