条件付きですが『出玉を出してお客様を増やすのはほぼ無理である』と言えます。
この話は当社の全従業員にも聞いて欲しいし、当グループ店舗にご来店頂いているお客様にも、またこのブログを読んで下さっている「集客できなくて困っている業界関係者の方々」にも、またSNSで「出玉をもっと出せ」と匿名で投稿している方々にも是非とも聞いていただきたいと思います。
「無理である」ではなく、「ほぼ無理である」としたのは「相当難しい事だが可能性は残されている」という意味です。その理由は全て説明しますので、もしご批判を書きたい方は最後までしっかりと読んでからお願い致します。
可能性が残されていると言っても、10%など到底残っておらず、ほんの数%程度だと思います。
この話はブログで何度か書いているのですが、いつ書いたのか調べられず、記事検索してもヒットしないのでもう一度最初から書きます。
逆説的な言い方をすると、そんな事ができたら、全ての店が大繁盛してしまいます。
店舗ナンバー2:「店長!お客様が増えないのは出玉を出さないからです。出玉を出しましょう!」
店長:「確かにそうだ。明日から出すようにしよう!」
もしこれで成功したら、チェーン店の他の店も出しまくればいいし、その会社の全店舗が成功したら業界でも話題になり、「出せばお客様は増える」が流行語になってどの店も大繁盛し、パチンコ業界全体が復活します。
「出玉を出してお客様を増やそう作戦」は失敗に終わる事がほとんどです。もし当社の店舗ナンバー2、ナンバー3の役職者やパートアルバイトスタッフの中に、「俺が私が店長だったら、もっと出玉を出してお店を繁盛させてみせる」と思っているのでしたら、それはほぼ妄想であると知って下さい。それでも自分はできると思っているのでしたら、是非店長に立候補して欲しいとおもいます。
「出玉を出してお客様を増やそう作戦」が失敗に終わる原因は大きく分けて3つあります。
①出した分の返済期限はお客様が増える前にやってくる
②パチンコ業は出している証明が難しい
③一時的に成功すると、急に目標が変更になってしまう
失敗する原因はほとんどこの3つです。
【出玉を出してお客様を増やそう作戦が失敗に終わる理由】
「①出した分の返済期限はお客様が増える前にやってくる」
現在自分のお店に通って下さるお客様は新規OPENしてから長年かけて現在の来店数になっています。急に出玉を出し始めて、お店のデータでは明らかに薄利になっていると言っても、その日負けたお客様は特に何も気が付かないまま帰ってしまう。例えばスロットで低設定に座ったとか、パチンコを打って驚くような回転率でもなかった場合は、お店が変わろうとしている事など全く知らないまま帰ってしまうのです。
しかし、高設定に座って気が付いたお客様や、パチンコを打っていつもとの違いに気が付いたお客様は今までより頻繁に通ってくれるようになるかもしれません。また、誰かに「最近あの店出してるよ」と喋ってくれるかもしれません。そう考えれば、出した分だけお客様は増えて行くと言えます。
しかし残念ながら、今までより出した分は必ず返済期限がやって来ます。
出玉を出し始めて2週間。明らかにお客様が増えているとしてもデータは正直です。確実に今までの利益より少なくなっているはずです。
口コミで良い噂が広がって少しずつお客様が増えている事はデータにも表れ始めているのですが、出した分を穴埋めするほどの集客に繋がる事は少なく、店長は本社や上司からのプレッシャーによって徐々に追い込まれていきます。
本社や上司:「おい、今月どうなっているんだ?」
店長:「少々お待ち下さい。今月から出玉率を上げておりまして、徐々に稼働も上がってきております。この赤字分は必ず後で取り戻しますので、もう少々お時間を下さい!」
これで「そうか。わかった。頑張ってるな!」と許してくれる会社や上司ならラッキーですがそんな会社はとっくのとうに繁盛しています。繁盛しているから許してくれるのです。
お客様がガラガラで悩んでいる、夫婦で経営するラーメン店のご主人が奥様に「おい、うちの店が繁盛しないのは、値段が高いからじゃないか? 明日から100円ずつ値下げすればお客様が増えるんじゃないか?」と提案したところで、奥様から「(昭和風)アンタ、なに寝ぼけた事言ってんだいっ!ローンの支払いと子供達の食事代はどうするのよ!うちは慈善事業で商売やってるんじゃないんだよっ!」と言われるに決まってます。これと何ら変わりません。
ある日突然出し始めても、その返済期限は一ヶ月後に必ずやってくるのです。
店長なら誰でも一度や二度は「出玉を出してお客様を増やそう作戦」に挑戦した事があるはずです。
でも後で嫌な思いをして大変だったから、またやりたくても中々その一歩が出せなくて悩んでいるのです。
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・・・と「出しても増やせない理論」を肯定しているような事を言っていますが、それでも方法は残されているから書いているわけです。
続きは明日