ある人から借りた本がこちら
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「一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学~230億稼いだ勝つ思考~」(KADOKAWA:cis【著】)
相場をそこそこやっている人なら、この方を知らない人はいないでしょう。
デイトレーダーの生きる伝説として有名な「cis氏(39歳?)」が初めて明かしたトレードのノウハウ本です。
相場経験のある人が読めば、どうして自分が負け組にいるのかよくわかると思います。
株をやったことが無い人のために軽く説明すると・・・
株式相場は勝てないわけではなく、売り買いせずに優良株を長期で保有したり、中長期的な上げ相場の時に株を買って持っていれば多くの銘柄で儲ける事が可能です。
しかし、資産を2倍にする程度ではなく、頻繁に売り買いを繰り返して資産を何倍・何十倍にできる人はほんの数%の人だけです。
そんな中、著者のcis氏は300万円を元手に230億円まで資産を増やした強者です。
これまで謎に包まれていたcis氏が初めて公式に投資哲学を公開したのが本書です。
この本に書かれている内容で注目したいのはcis氏が「元パチプロ」であtったことです。
彼は15歳でパチンコをはじめ、大学時代には打ち子の元締めとなって2000万円もの大金を手にします。恐らく合法的な正攻法での理論を基に稼いでいたのでしょう。時代背景からして充分可能です。
その後、紆余曲折があって資産を減らし、300万円まで減ったところから本格的に株式相場をスタートし、現在のような巨万の富を手にする事になります。
本書の中にはcis氏のパチプロとしての考え方が記されていますが、私も元パチプロとして大いに頷ける部分がありました。
最終的にパチプロは確率をどれだけ重視できるかで結果に差が生まれます。
パチンコやスロットは普通は負けるものです。
プラスにできる人はほんのひと握りです。
しかし、そのひと握りの人の中で、何年にもわたって稼ぎ続けられる人は極々わずかな人数です。
パチプロと株式投資との根本的な違いは「投資額」です。
これが決定的に違います。
パチプロはこれまでの勝ち額が1千万円を超えていようが、明日の投資額は昨日と同じ1玉4円、1枚20円がMAXです。
しかし株の投資は儲かれば儲かるほど、100万、1千万、1億・・・と増やすことができます。
ここが決定的な違いです。
その点を除けば、パチンコと株式投資にいくつもの共通点があるとcis氏は語っています。
cis氏は単なるニュースや出来事、事実関係は参考にしているようですが、「株がこの後上がるか下がるか」については証券アナリストの話も、株価情報のテレビも、その他のメディアも基本的には全く信じていないようです。
cis氏は、今現実的に起きている値動きと、自分が信じている特定の情報、自分自身の投資哲学だけを頼りに投資をしている事が本書から読み取れます。
パチンコも似ています。
パチプロで長年生活しているなら知っていますが、質問式の掲示板などは嘘だらけです。
自分が勝ち組にいると、嘘を簡単に見破る事ができます。
パチプロ(スロプロ)には何通りもの勝ち方が存在します。
しかし、プロ同士ならそのノウハウが違っていたとしても、各々の理論を教えあった場合、お互いに相手が本物である事をある程度見抜くことができます。
相手が大して勝っていない人であればそれも見抜けるでしょう。
具体的な手法は違っても、根底にあるパチンコで勝つ理論はほとんどのプロに共通しているからです。
パチプロに共通しているのは「徹底した確率思考」です。
確率以外にも勝つための要素はたくさんあります。店選びや台選びや機種特性なども重要です。
しかし、確率の事を深く話した時に話が噛み合わないプロは勝ち額が少ない人と見て間違いありません。
特殊なネタ以外の勝ち方を除いた場合、確率の知識はプロには絶対に欠かせない必須の知識です。
勝ち方を教えてくれた師匠から「確率を信じろ」と言われたから確率を重視するようになったというのも有りだし、自分自身で確率を徹底的に勉強して確率信者になったのでも、どちらでもいいと私は思います。
最終的にプロは全員、確率を心底信じているものです。
信じているだけではなく、確率の収束についてかなり詳しい人たちの集まりです。
cis氏は青年期に経験したパチプロの経験が現在の投資哲学に影響している事を語っています。
パチンコと株では違う部分がたくさんありますが、共通しているのは
・世の中は嘘の情報があふれている
・真の情報はほんのわずかしかない
・他人の言っている事を鵜呑みにしない
・実際に勝っている人の話に耳を傾ける
・仮説を立てて検証していく
・多くの人が言っている事が正しいわけではない
等々、いくつもあるものだと、本書を読んでつくづく思わされました。
しかしパチプロになれた人でも、いざ株を始めるとまた初心者に戻ってしまい、証券アナリストや経済学者やメディアの情報に流されてしまうものです。
株の場合はパチンコより厄介です。
パチンコは投資額が限られているため、自分一人での稼ぎに限界があります。そのため、勝ち方を他人に教えて同じ手法で儲けてもらい手数料をもらえば、一人でやるより利益を増やせます。
しかし、株式相場は本当に儲かる手法があるなら、自分でいくらでも投資額を増やせるので、なにも他人に教えて手数料をもらう必要がありません。「そんなに儲かると言うなら自分でやれば」ということです。
パチンコは「一人でやっていると投資額に限界があるから、あなたにも教えているのです」と言われると、一理あるので騙されてしまう人が出てきます。
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「一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学~230億稼いだ勝つ思考~」(KADOKAWA:cis【著】)
株式投資とパチンコ、その他のギャンブルには共通する部分がある事を教えてくれる、大変参考になった本でした。