スロットの高設定をAIが決める日

もし私が在職中だったら、この話は書かなかったと思います。

みなさんは「スロットの高設定をAI(人工知能)が決める日」が、すぐそこまで来ているのを知っていますか?

「AI、AIって騒がれているけど、なんでもかんでも直ぐにAIに代わるわけじゃない。」と思っていませんか?

もし、そう思っているなら、あなたは勝ち組からどんどん遠ざかり始めています。
何を隠そう、最新のホールコンピュータを使っているホール(中堅ホール以上)は既に初歩的なAIによって高設定が決められているのです。

もっと言えば、大手の優良ホールなら、AIが導き出した設定配分をそのまま設定しているホールがあると考えてもおかしくありません。

そんなバカなと思うかもしれませんが本当です。
パチンコ店も急速なスピードでAIが進行しています。

最先端のホール事情

 

最先端のホールは、AIが自店のレイアウト図のどの台にどの設定を導入すべきかの最適解を表示するようになっているのをご存知でしたか?

これはそのイメージ図です。

初心者の方や私の事を知らない方は、どこかの胡散臭い攻略法詐欺かと思うかもしれませんが、そういう方は過去記事をよくご覧ください。

私は身元を明かしているようなものですから、嘘を吐くことはできません。

もう本当にそういう時代になってきているのです。

 

そもそも、「AI=人工知能」の定義とは?

情報工学者・通信工学者の佐藤理史は次のように述べている。

「 誤解を恐れず平易にいいかえるならば、「これまで人間にしかできなかった知的な行為(認識、推論、言語運用、創造など)を、どのような手順(アルゴリズム)とどのようなデータ(事前情報や知識)を準備すれば、それを機械的に実行できるか」を研究する分野である。

と言われています。

台とホールコンを接続して、台データをホールコンに送信する事はできます。
しかし、パチンコとスロットは風適法上、遊技(ゲーム性)に影響を与える機器の接続は認められていませんから、ホールコン(ホールコンピュータ)から指令を出してスロットの設定を変更する事はできません。

そのため、AIがどんなに完璧な設定配分を導き出したとしても、最終的には人間が設定変更するのですが、設定変更する作業以外の部分においては着々とAI化が進んでいるのです。

スロットを長年打っている方、プロとして現在活動されている方、場合によっては古いホールコンを使っているパチンコ店店長すら驚かれるかもしれません。

 

みなさんはスロットの高設定の場所を予想する際、どんな風に予想していますか?

恐らく、「設定師がこう考えてるだろう」と予想して座っているはずです。

もしそれを、人間が考えていないのだとしたら・・・

実はすでにそうなりつつあるのです。
いや、もうそうなっている店も少なからず存在しています。

因みに、私の知人はAIが決めた設定に、多少自分の考えを加えて修正して設定を投入しています。
しかし、もっと忙しい設定師や超大型店舗の設定師はAIが決めた設定をほぼそのまま投入している可能性すらあるのです。

この事は前の会社の事だとは言いませんし、そうだとしてもそうだとは言いません。フリーになった今は基本的に私の長年の経験の中でお話ししている事を忘れずにお読み下さい。

AIの定義については前述しましたが、「これまで人間にしかできなかった知的な行為を、どのようなアルゴリズムと、どのようなデータを準備すれば、それを機械的に実行できるか」をホールコンに計算させて、ホールコンが推奨投入台番と推奨設定を導き出しているのなら、それはAIが決めているという事です。

AIと言うと、一般的な認識として、「人間以上の結果」を生み出すものをイメージしているはずです。
例えば将棋で、プロ棋士がAI(人工知能)と対戦して、AIが負け続けているうちは、周りからはAIとして認められず、「コンピュータ将棋のソフトウェア」のレベルですよね。

でも、プロ棋士が何度やってもコンピュータ将棋ソフトウェアに勝てなくなってきたら、これは立派な「AI将棋」と呼ばれるようになっていくでしょう。

私が言っている、「設定をAIが決めている」と言っているのは、もうそれに近い状態になってきているという事です。

本当はそうなってきているのに、ホールコンメーカーが「AIによる設定配分の最適解を導き出しています!」と声を大にして言わないだけです。

それはギャンブルと言う性質をメーカーもわかっているからなのかもしれません。

「設定はAIが自動的に決めている」とユーザーが知ってしまうと、設定師との駆け引きが無くなり、面白さが半減してしまうのではないかと、敢えて自信作のホールコンなのに言わないのではないかと私は想像しています。

ではAIはどのようにして設定配分の最適解を計算しているのでしょうか?

その答えを知るのはホールコンのプログラムを解析すれば一番早いのですが、実際にはそんな事はできません。
しかし、AIも人間が創り出しているのですから、解析などしなくても、どんなアルゴリズムにした方が最適解を導き出してくれるのか、ある程度最初から分かっているのです。

AIがどのように最適解を導き出すかを予想するには、設定師がAIを使用しない場合に、どんな行動を取るのかを知る必要があります。

考えてみて下さい。

設定師が初めてAIの導入されたホールコンを使い、AIが導き出した高設定の投入台を見た時に、設定師は「本当にAIなんて信じられるのかな?」と、AIが指定した高設定台の直近データを何台かチェックするでしょう。

なぜAIが「この台に設定〇を入れなさい」と言っているのか、自分の考え方とズレていないか確認したいからです。

しかし、自分の考えとズレがあまりに大きければ設定師はAIを信用しなくなってしまいます。
あくまでもAIは人間が考える高設定の投入過程を、人間より早く正確に計算するのが目的です。

設定師がAIの答えを見て、なぜそういう答えになったのかをゆっくりと時間を掛けて考えた時に、「ああ、そういう事ね」と、納得できるようなプログラムになっていなかったら、AIを使う設定師が減ってしまいます。

AIを開発した人は必ず設定師の行動パターンを考慮した上で開発したであろう事は容易に想像できます。

ユーザーの皆さんは、高設定の台を予想する時、何に注目して予想を立てているでしょうか?
たぶん、「自分が設定師だったら、この台に入れる」と考えるか、「ここの設定師はこの台に入れるだろう」と考えませんか?

後者の方がレベルは上ですよね。

「自分だったらここに入れる」と言っても、相手には癖がありますから、自分の予想と違う台に入れてくるかもしれません。

しかし、相手の考えを予想して、「この店の設定師はこの台に入れてくるだろう」と、これまでの設定師の行動パターンを思い出して予想を立てているなら、当たる確率が高いかもしれません。

 

私は、このユーザーの行動パターンこそ、実はAIの導き出す最適解のアルゴリズムのヒントになっていると思うのです。

(ユーザーの会話によく出てくる言葉)
・「あの台は何日もずっと出てないから、そろそろ高設定が投入される」
・「あの台は目立つ所にあるから、どうせ高設定を入れるならあの台だ」
・「あの台は昨日5000枚出たから、今日は出ない」
・「あの台は昨日高設定だったけど伸び悩んだから、今日は据え置きだと思う」

これらの言葉はそのまま設定師も同じような事を逆の立場で考えているものです。
但し、同じことを考えていても、予想通りには高設定は入らないかもしれません。
設定師にはいろんな人がいます。

「あの台は何日もずっと出てないから、そろそろ高設定が投入される」
⇒(素直な設定師は )「かわいそうだから出してあげよう」
⇒(裏を読む設定師は)「数日ハマった台はプロっぽいのに朝から狙われるからやめておこう」

・「あの台は目立つ所にあるから、どうせ高設定を入れるならあの台だ」
⇒(素直な設定師は )「角台は稼働が高くなるし、アピールできるから入れよう」
⇒(裏を読む設定師は)「角台はバレバレだからやめよう」

・「あの台は昨日5000枚出たから、今日は出ない」
⇒(素直な設定師は )「明日は誰も座ってくれないだろうから今日は低設定にしよう」
⇒(裏を読む設定師は)「出た次の日は毎回低設定に下げると思われたくないから、二日連続投入しよう」

・「あの台は昨日高設定だったけど伸び悩んだから、今日は据え置きだと思う」
⇒(素直な設定師は )「据え置いてあげよう」
⇒(裏を読む設定師は)「高設定とバレたから、明日は変えよう」

このように、設定師の性格によって高設定の投入場所は変わってきます。

こんな風に書くと、「じゃあ、AIがどんなに素晴らしい最適解を出しても、設定師の性格によっては、納得できる人とできない人がいるって事か。」と思うことでしょう。

しかしホールコンメーカーもそこは考えています。

設定師の考え方を反映しながら、最適解を計算できるようにしてくれているのです。

 

AIの最適解を設定師が見た時に、全ての設定師が納得するようになる日はもう少し先です。

将棋の話でも書いたように、プロ棋士がAI将棋に何度戦っても勝てなくなった時、初めて人間は負けを認めてAIを信用するようになります。

設定も同じで、AIが最適解を導き出しているアルゴリズムを設定師が知った時、「へぇ~、そこまで計算して答えを出しているんだぁ。もうAIには完全に追いつけないな。自分が考えている事と同じことを自分より早く正確に計算してくれる。」と思うようになって初めて、全ての設定師がAIの言われたままに設定を投入するようになるのだと思います。

ではAIはどの程度普及しているのでしょうか?

ホールコンメーカーの最先端を行くのは皆さんもご存知のダイコク電機です。
もし他のホールコンメーカーがAIを搭載しているとしたら、ダイコク電機がAIを搭載していないわけがありません。

 

ダイコク電機製ホールコンピュータのシェア

2013.9.11に中古機相場.comが行った、業界人向けのアンケート調査で、

「ホールコンメーカーは多数あると思いますが、現在どこのメーカーのものを使っていますか?」

の問いに対して、下の結果が出ています。

ダイコク電機 40 % 
大都販売 8 % 
北電子 8 %
エース電研 7 %
サン電子 5 %
マースエンジニアリング 6 %
アイ電子 7 %
グローリーナスカ 3 %
明和エレクトロン 1 %
ワイテック 3 %
その他 6 %

ダイコク電機が40%を占めていることがわかります。

総回答数は公開されていませんが、このサイトは業界では有名なサイトです。
私は中古機相場.comの会長とも実際にお会いした事があり、非常に紳士的な方でしたので、いい加減な結果を公開しているとは思えません。

でも、もっと信憑性が高いのがこちら

ダイコク電機がWEB上で公開している、「2018年3月期 株主通信」によれば、全国10,596店舗中の3,670店舗(34.6%)がダイコク電機のホールコンピュータを使っていると発表されています。

ダイコク電機は東証1部・名証1部上場企業であるため、この数値が嘘ってことはないでしょうね。

さらに驚くのが、大型店舗のダイコク電機製ホールコンシェアです。

100台以下の店舗=5.7%
300台以下の店舗=21.5%
500台以下の店舗=33.2%
1,000台以下の店舗=53.2%
1,001台以上の店舗=69.9%
合計=34.6%

近年パチンコ店は設置台数が大型化しており、新しい店ほど巨大なホールです。

あなたのマイホが大型店舗であればダイコク電機である可能性はかなり高い。

今ではユーザーも知っているホールコンですがユーザーが知っておくべきホールコンの知識は「台管理」の部分です。
パチンコ店のほとんどが、大きく分けて次の3つのシステムを導入しています。

①売上や台データを管理する「台管理システム」
②景品の在庫や交換を管理する「景品管理システム」
③会員や貯玉等の顧客情報を管理する「顧客管理システム」

ホールはこれら全ての管理をするシステム全体を「ホールコンピューターシステム」として考えますが、ここではユーザーにとって重要な「台管理システム」の部分だけをホールコンとして説明しています。 

大型店舗は資金力もあるので、前述した3つのシステムが1社のメーカーで統一されていることが多く、店内であなたが確認できる何かの設備がダイコク電機製であれば、ホールコンもダイコク電機製と考えられます。

その前に大型店舗がダイコク電機を使っている場合はデータロボサイトセブンで台情報を公開しているでしょうから、サイトセブンを確認すればダイコク電機のホールコンを使っている事がわかります。

マイホが使っているホールコンメーカーをどうやって調べるのか?

それでも念のためマイホのホールコンメーカーを調べたいのなら方法はいくつかあります。

・台データ情報公開サービスの提供元を見る
・景品カウンターのPOS(景品交換用レジ)を覗き見る
・計数機やカードリーダーを見てみる
・サンドやナンバーランプを調べる
・会員カードを見る

但し、上記のような確認方法で100%ホールコンメーカーを見抜けるわけではありません。

パチンコ店は前述したように3つのシステム「台管理・景品管理・顧客管理」があり、大型店舗なら全て1つのメーカーで統一されている事が多いですが、それぞれのシステムが別々のメーカーになっている可能性もあるからです。

ホールコンメーカーをユーザーが調べる時に一番信憑性が高いのは台データ情報公開サービスの提供元の確認です。

台データ情報公開とはダイコク電機で言えば、WEBサイトやアプリで公開している「データロボサイトセブン」と、店内に置かれているスランプグラフなどが見られる大型ビジョンの情報公開機器等の事です。

グローリーナスカはサンドの分野で強いため、サンドがグローリーナスカだからと言って、ホールコンもグローリーナスカと決めつけてはいけません。

北電子はこの数年急速にホールコンシェアを伸ばしています。
伸ばしている理由は「大人の事情」があるので公開は避けておきますが、表面上POSや会員カードがダイコクであっても、ホールコン(台管理)だけ北電子という可能性は充分にあり得ます。

例えば、今までダイコクのサイトセブンでデータ公開していたホールがあり、ジャグラーが少ししか設置されていなかったのに、突然最新のジャグラーがその店に何台も設置されとします。
時期を同じくしてサイトセブンの公開が終了した場合は、ホールコンがダイコクから北電子に変わった可能性がかなり高いです。

会員カードについては裏側を見ればダイコクか判別できます。ダイコク電機を使っているどこかのホールと同じフォーマットの会員カードならその店も「会員システム」はダイコクです。カードにはダイコクの名前は書かれていません。
グローリーナスカのカードは裏に「nusca」のロゴが書かれているのですぐにわかります。

ダイコク電機製のホールコンを使っていて、比較的新しめの設備機器のホールであれば、AIの可能性が高まります。

 

チェックシートにAIの最適解のヒントがある

AIがどんな方法で設定を決めているのかを知るには、AIへと進化する前に、それまで設定師がどんな方法で設定を決めていたのかを知るのが一番早いと思います。

なお、現在でもAIが導入されていないホールも多数あり、導入されていないホールの設定師はかなりの確率で「チェックシート」を使っていると思われます。

「チェックシート」とは設定を考える際に設定師が好んで使用する帳票の事です。

「かなりの確率で使っていると思われる」とか曖昧だなぁ、と思うかもしれませんが、証拠がないから控えめに言っているのであって、そう言うからにはそれなりの根拠があって言っています。

ダイコク電機は公式サイトでチェックシートがある事を公表しています。
一般ユーザーもアクセスできる公式サイト上に公開されています。

分析サーバ MS-55Ⅱ/MS-55HYPERⅡ

それ以外のメーカーは、ホームページ上ではチェックシートがある事を公開していないためメーカー名は出しませんが、私自身がはっきりとチェックシート(または名称が違くてもチェックシートに近い帳票)があるのを確認しているのが5社。
この5社以外に業界仲間から「チェックシート(またはそれと同様の物)がある」と聞いているメーカーが2社ありました。

チェックシート自体の発想はそれほど画期的なものではなく、「こんな帳票があったら管理しやすいのに・・・」と、ホールの店長が日々考えている事を実現しただけなので、どのメーカーも開発する必要性があったのだと思います。

ホールコン市場はダイコク電機が頂点であり、ダイコク電機が提供しているなら、技術的に難しくなければ他のメーカーも真似するに決まっています。

みなさんが気になるのは、チェックシートの機能があるとしても、「本当にマイホの設定師はチェックシートを使っているのか?」という疑問でしょう。

これには私なりの持論があります。

・しっかりと高設定を入れ替えているホールはチェックシートを使っている

・ほとんどオール1のような店は使っていない場合がある

チェックシートは釘と設定の管理を任されている人たちのニーズを形にした帳票です。誰もが「こんな物があったらいいのに」と思っている事を実現するために作られたため、とにかく使い勝手がいい。

チェックシートの正体を知れば知るほど、「確かにチェックシートを使うかもしれない」と思う事でしょう。

高設定が全台中2台~3台しかない店ならチェックシートなど使わなくても大丈夫ですが、そういう店には最初からいかない方がいいですよね。

あなたが通っているホールが最先端のホールコンならAIが使われている可能性がありますし、AIを使っていないようなホールでも、それなりに高設定を使っているホールならチェックシートを使っている可能性はかなり高いと言えます。 

チェックシートとはどんなものなのか?

ダイコク電機のHPを見ると、画質が悪いですがチェックシートがどんなものであるのか、なんとなくわかります。

ここから書く「チェックシート」とはダイコク電機のチェックシートそのものの説明ではありません。
私の知る限りの、ホールコンメーカーの標準的、且つ一般的な話をします。
しかし、店長のニーズを形にしたのがチェックシートなので、どのメーカーも非常に似通っていると思ってください。

チェックシートはPCの画面上でも見られるし、印刷することもできます。

基本的には1台1台の過去1週間分のデータがずらりと並んだ表です。

チェックシートの表示できる項目は数十通りもあり、多くて10項目ほどまで選べます。

・表示項目にはどんなデータが表示されているのか?
・そのデータを担当者はどんな角度から見ているのか?
・その結果を見て、設定をどうしているのか?

これを知れば、ライバルと大きく差をつける事ができます。

ダイコク電機のホームページ上では、チェックシートの紹介の所にこう書かれています。

「チェック期間が、7日間固定から7日間以内で任意に指定できるようになりました」

7日とは直近7日間の事です。
8日以上は表示できない事がわかります。

これは重要です。
なぜ最高で一週間以内のデータしか表示させないのかというと・・・

一週間以内になってしまう理由はPC画面上と印刷紙面上の問題からです。

==============
※これ以降はチェックシート(Check Sheet)を「CS」と表記します。
==============

CS(チェックシート)はPC画面上でも見る事もできるし、印刷する事もできます。
1枚のページに最低でも十数台、多い場合は30台以上表示できるホールコンメーカーもあります。

昔からCSは用紙設定が横向きであり、過去一週間データの表示にすると、PC画面上、または印刷紙面上、基本的には横4台×縦に4台=16台程度の表示が限界でした。

しかし技術が進歩するに連れて、PCの液晶解像度が上がり、もっと多くの台数を表示できるようになりました。

ところが、解像度が上がっても、1台に表示させる横軸の項目数も時代と共に増えてきたため、結局現在でも横は4台~5台が限界で、縦の表示台数だけが大幅に増えていきました。

ダイコク電機のHPでは32台が1枚のCSに表示されているのが見て取れますよね。

7日以内であれば任意に表示させる日数は少なくできるので、少なくした分、1枚のCSに表示できる台数を増やすこともできます。

以前、あるホールコンメーカーはHP上で、1台につき「7・9・11項目のデータ項目が表示できる」と書かれており、一番少ない7項目を選択すれば、横に5台表示できている事がHP上で確認できました。
またそのメーカーはPC画面と印刷状態では表のレイアウトが違うことも確認できました。

CSは設定師が知りたいデータを整理して、自分好みにカスタマイズできるため、設定を変更する時に重要な参考資料とする人が多いのだと思います。

AIの高設定決定のアルゴリズムが気になっている人も多いでしょうが、CSを知る事は基礎を学ぶのと同じことですので、最後まで聞いて頂きたいと思います。

CS(チェックシート)に表示できる項目数には限界があり、ホールコンのメーカーにもよりますが、大体10項目程度までです。
それ以上表示しても設定を考える上では必要ないし、あまりにも項目が多すぎると分かりづらくなります。
また、項目が増え過ぎれば1ページの表示台数も少なくなってしまいます。

もっと言えば、設定師はそこまで暇じゃありません。昔の釘師のように、それ専門でやっているなら設定変更にじっくりと時間を掛けますが、他にも仕事がたくさんある中で、10項目もの指標を時間を掛けてしっかりと分析している人などほとんどいないと思います。

最終的には設定師が好む指標をいくつか見て、さっさと設定を決めているのが現実だと思います。

よく考えて下さい。

あなたは自分が好きな機種のデータを穴が開くほど見ているかもしれませんが、設定師は全台担当しているか、或いは大型店舗のように数人で設定を分担しているとしても、一人で毎日数百台のデータを見ています。
スロットだけではなくパチンコも同時に担当している場合も多いです。

もしあなたが中間管理職の人であればわかると思いますが、パチンコ店だって色んな仕事があります。
・売上の集計
・明日の案内メール
・HPの更新作業
・企画書や会議資料の作成
・現在進めているプロジェクト
・スタッフ間のトラブル
・求人募集の手配
・販促物の作成
・景品の発注や管理

それ以外にも色々な仕事があります。

それなのに設定変更だけに1時間も2時間もかけている人などほとんどいないと思ってください。
考えた後に、実際に何十台も設定変更する作業だって、いい加減時間がかかります。

従業員が清掃等をしている間は設定変更している姿を見られたくありませんから、ホールの作業が終わってから設定変更している設定師も多いでしょう。

早く帰りたいのに、チェックシートと長時間格闘している人なんていません。

設定など、毎日続けていれば慣れてきます。
いつものパターンで変更台を決めて終わりです。

データ表示項目の中で設定師が注目している項目は恐らく数項目だけです。

こうして考えていくと、AIが自動的に設定投入配分を考えてくれたら、いかに設定師が楽になるのかが分かります。
AIが存在している理由が分かって頂けると思います。

CSで注目されている指標は、AIが最適解を導き出す条件の中に必ず含まれていると考えてよいでしょう。

皆さんはここまで聞いてどう思いますか?
設定師が考えるプロセスと全く違う指標からAIが導き出していると思いますか?

最初の方にも言いましたが、設定師がAIの出した答えを見た時に、「なんでこの台に高設定入れるの?」と疑問に思うような答えばかりが出てくるなら、設定師はAIを信じなくなります。

必ず設定師がそれなりに「なるほど」と思うか、「AIが言いたいことは分かる」と思うような答えでなければ、利用価値がありません。
ただでさえ、設定師はAIが知らないはずの情報を持っている分、AIより優っている部分があります。それは顧客の情報です。
「あの常連Aさんはもう3日も同じ台で推定10万円も負けている」という情報はAIには分かりません。

それだけにAIはその差を埋めるだけの性能を持たなくてはなりません。設定師に「こんな最適解信じられるか」と思われるような、独自すぎるアルゴリズムではないはずです。

ここまで読んでいただいて、多くの方が思っているのは「そういってもそれは想像だよね」という事でしょう。

しかし、それがまんざら想像だけでもない事を証明できる事が一つあるのです。

それはAIが導き出す最適解を、設定師がある条件設定をすることで、任意で選択できるになっている事です。

要するに、

・設定師Aが高設定を入れる条件
・設定師Bが高設定を入れる条件
・設定師Cが高設定を入れる条件

が、それぞれ違っている場合、設定師Aは「自分が好きな高設定を入れてあげる条件」を、任意で指定してAIに計算させる事ができるように設計されています。

実際には設定師Aが計算している作業とは比較にならないほどの膨大はデータと情報を駆使してAIは算出しているだろうと思われますが、少なくとも設定師Aが好む高設定投入の条件は必ず反映されるようになっているという事です。

これなら、まだプレイヤーにも夢がありますよね。
AIが導き出す最適解の傾向をつかめれば、AIが相手だとしても高設定の投入場所を読める可能性が出てくるからです。

AIが複雑すぎる独自のアルゴリズムで決定していた場合は、人間の入りこむ余地がなくなり、どこに高設定が入るのか全く分からなくなってしまうかもしれません。
また、AIが全国一律(同メーカーでの話)のアルゴリズムになった場合、、最適解にパターンが見つかれば攻略法に繋がりますから、必ずランダム性がプログラムに組み込まれる事になるでしょう。そうなったら、もうスロットの面白さは半減します。

しかし、今のところはマイホの設定師の癖が任意の条件設定として選択できるようになっているので、まだ高設定投入台の予想ができるレベルだと私は思っています。

そして予想の原点となるのは、やっぱりCSです。

CSに設定されやすい表示項目を知れば、自ずとAIがどんな最適解を導き出すのか予想できます。

スロットの高設定をAIが決める日。
タイトルではそう言っていますが、すでに一部では現実に起きている事です。

この先は有料記事にて公開させて頂きます。

有料記事ではCSについて深く説明しています。

またAIが現実のホールでどのように使われていると予想されるのかについても書いています。
あくまでも予想です。実際に訪問してインタビューでもしない限り、AI活用の実態は誰も知る事ができません。

しかし、私が経験している事も踏まえて、AIによる設定がどんなことになっているのかもう少し詳しく書いています。

有料記事はもっと早く公開する予定でしたが、少し考え方が変わったので延期していました。
今回6回に亘って連載した記事は元々有料記事の中の一部だったのですが、無料で公開できる部分はこちらのブログ記事の方にほぼ公開してしまって、有料として重要な部分だけを再編成して公開する事にしたからです。

有料記事ではCSとAIについて詳しく説明しています。
私の体験談や、私が確認できている様々な実話も含めて書いています。

noteの記事はこちら

高設定分析の最新事情

スロットの高設定をAIが決める日(note版)

途中まで無料で見られます